コラム「風」令和7年9月

ふるさと

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秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 先月のお盆、みなさんはどういう風にお迎えしたでしょうか。県内外にお住いのご家族が久しぶりに帰省して、賑やかにお盆を過ごしたというご家庭も多かったものと思います。一方、九州では大雨による被害で、お盆どころではない、という方もいらっしゃいます。被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 さて、お盆に帰省された方々は、町の夕方6 時の時報、防災行政無線から流れる「ふるさと」をふるさとで聞いて、どう受け止めたでしょうか。年代等によって違いがあるものと思いますが、放送側としては「心に何らかの和み」が生まれたことを期待しております。
 その「ふるさと」についてですが、改めて説明しますと、昨年度の町の合併20周年をきっかけに、町民とりわけ子供たちに対して、町へのふるさと意識を深めてもらいたい思いで選曲し、昨年4月から放送しております。全国的にも防災行政無線の時報に採用されている曲です。美郷町では、放送当初から「とても良い」という評価をいただく一方、「うら寂しい」という声もいただいております。私としては、和らぎを感じる情緒的な曲であり、自身の過去と将来を結ぶ曲でもありますので、「良い」と思っているのですが…。
 しかし、多くの町民のご賛同がなければ独り善がりとなりますので、町民がどう感じているか、「美郷のまちづくり町民アンケート」(対象者:千人)に併せて調査を実施しました。結果、約6割の方が良い、約2 割5 分の方が気にならない、約1割の方が別のものにしてほしいと思っていることが分かりました。
 この結果を踏まえ、町では引き続き「ふるさと」を放送してまいりたいと考えております。どうかご理解くださいますようお願いいたします。なお、ある方からは「曲が1番で終わらず2 番までお願いしたい」というご要望もいただきました。いろいろ検討しましたが、時報の長さとして適切かとの観点もあり、結果的に実現は難しいことを、紙面を通じてお伝えしたいと思います。すみません。
 物事の好き嫌いについては、何かをきっかけに変わることはよくあることです。例えば苦手だったパクチー(野菜の一種) が、急に好きになったとか(実は私です笑)。もちろんその逆もあるわけですが、いずれ、好き嫌いの感情は流動しますので♪ いつの日にか♪みなさんからご納得いただける日が来るよう念じております。
 

(広報美郷 令和7年9月号より)

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