コラム「風」令和6年12月

就任のあいさつ

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秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 先月執行されました町長選挙により、引き続き町長職の重責を担わせていただくこととなりました。持てる力を最大限発揮し、がんばってまいります。引き続きよろしくお願いいたします。

 さて、美郷町は先月1日、20年という大きな節目を迎えました。成人の定義と大人の概念の違いを踏まえ、内面の成熟を大人の概念とするならば、美郷町は「大人になった」と私は思います。その認識の底流には、一定の財政健全化が果たされ、必要な施設や制度を一定程度整えたこと、そしてその核心には、町民自身の町に対する自負心が定着し、町の個性に対する共通認識も醸成されたことがあります。戦後復興を踏まえた「もはや戦後ではない」という言葉よろしく、美郷町は20年という時間を経て、「もはや合併自治体ではない」と認識しているところです。

 一方で社会は複雑化し、新たな課題が次々と生まれる環境になりました。その対応には迅速性や的確性がより求められ、事象に対する客観的な共通認識とともに、広範な協力体制も求められる状況です。その観点では、やはり情報に対してアンテナを磨く認識と、数多の物事を自分の問題として捉えていこうとする認識は、今後とも肝要です。新たな課題への判断と行動には、こうした認識を大切にし、着実に良き未来に向かって歩みを重ねていきたいものです。

 差し当たりの新たな課題は財源問題です。これまで年平均約4億円を活用してきた合併特例債は期限が到来し、来年度からは使えません。その意味で、財政分野も次のステージに入りました。もちろんこの規模での財源縮小は、経験からしてかなりの工夫と努力が必要です。そのためにも「三人寄れば文殊の知恵」のように、アイデアを出し合い、協力し合い、課題を乗り越えていきたいと思います。

 一つひとつを乗り越えて理想に近づく。少しずつ町民の幸福感を増していく。そして引き続き小さくてもキラリと光る美郷町であり続ける。これをめざし、がんばってまいります。みなさんの引き続きのご理解、ご協力を心よりお願い申し上げます。

(広報美郷 令和6年12月号より)

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