コラム「風」令和6年3月
至上の喜び
秋田県美郷町長 松 田 知 己
目的をもって取り組んだことが成就するときの喜び、誰しもが経験あるものと思います。この時期ですと、学校の卒業はその一つ。一緒に暮らした仲間と分かれることはとても寂しいことですが、例えば就職や進学、部活動の成果などの目標を持って学校生活を重ね、卒業という形でそれが成就することは、何事にも代え難い喜びではないかと思います。
私も今月、取り組んできたことが成就する大きな喜びを得ます。3年越しの取り組み、美郷町オリジナル絵本の完成です。その作画は美郷大使の永田萠さん。ある構想を持って取り組んできたものですので、この度の完成は仕事冥利に尽きます。その取り組み動機ですが、二つあります。一つは、中学生向け「みさと働きびと」、小学校高学年向け「ふるさと美郷は宝箱」に続く完結編として、小さい子供向けの町オリジナルの本を制作したかったこと。もう一つは、シリーズものとして取り組んできた「記憶残し」のメモリアル婚姻届、出生記念証、むし歯のない子表彰状、認定こども園修了証書に続く完結編を制作したかったことです。
それぞれの取り組み目的ですが、一つ目は成長に応じた美郷オリジナルの本を通じ、美郷を「知る」ことで子供たちのふるさと意識を深くさせたいこと。二つ目は記念となる折々の証しについて永田萠さんの絵で統一し、オリジナリティを持たせることで親の保管意向を高め、いつかまとめて子供に渡してもらうことで、子供たちの成長の記憶とふるさとへの思いを深くしてもらいたいことです。
この二つの別々の目的が一つになる結節点が、今回のオリジナル絵本の完成です。そして構想はこれで完結です。そのため、私としては特に嬉しいわけです。この絵本、園児や小学校低学年の子供たちには4月に贈呈する予定です。また、一般の方には販売もします。3月20日(水)に名水市場湧太郎内で出版記念行事を行いますので、ご参加いただき、お求めいただければ幸いです。
物事は終わりがあるからこそ、新たな始まりがあります。さてさて、次の構想はいかがなものか。現在、その下地づくり中です。
(広報美郷 令和6年3月号より)