コラム「風」令和3年9月
考えどころ
秋田県美郷町長 松 田 知 己
「暑い、暑い」と言っていた今夏も終盤に来ました。例年であればビアガーデン大流行りのお天気でしたが、新型コロナで宅飲みが大半だったのではないでしょうか。その分、多くの飲食店は大変な影響を受けていますし、夏の楽しみも奪われており、みなさんには「憎し、新型コロナ」という心境ではないかと思います。
さて、その新型コロナウイルス、従来株やアルファ株から、現在はデルタ株が主流になりました。感染力が強いことに加え、一部でワクチン接種後に感染する「ブレイクスルー感染」も報告されており、大変な厄介者です。また、その拡大に比例し、低年齢層への感染例や若年層の重症化例、軽症者の後遺症例も以前より多く報道されているように見えますので、怖い相手でもあります。
しかしこの厄介者にも、私たちは立ち向かっていかなければいけません。残念ながら妙手はなく、戦いの基本は地道な努力です。マスク着用、手指消毒、そして3密回避。「聞き飽きた」、「疲れた」との声が聞こえてきそうですが、粘り強さでがんばりましょう。
そしてもう一つが、何と言ってもワクチン接種です。一部でブレイクスルー感染の報告があるものの、だからと言ってワクチン接種は無力ではありません(お医者さん談)。首都圏の新規感染者で、ワクチン接種終了世代の65歳以上の割合が以前に比べて小さいのが、その証左ではないかと思います。
一方、副反応の報告も多くあります。接種部の痛みや頭痛、発熱などの頻度が高いようですが、それは数日で軽快するとのことです。ごくごく稀に別の副反応もあるらしいので、ご心配な方はかかりつけのお医者さんに相談し、接種について改めて考えていただきたいと思います。そしてそれを考える時期は、まさに「今」です。
任意接種ですので、何を判断基準にするのかは自由ですが、事実としての感染状況、感染者の状態などを踏まえると、特に働き盛りから若い世代の方には、接種を前向きに検討していただきたいと思います。また、ご家族で未接種の方がいたら、よくよく検討していただくよう、どうかお声掛けをお願いいたします。
ワクチンは自分のみならず大切な人も守る「重要な武器」です。
(広報美郷 令和3年9月号より)