コラム「風」令和5年5月

禍と福

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 あれよあれよで4月が過ぎ、あっと言う間の5月です。春先からの好天続きで桜の開花は早く、「さあ花見だ」と行く気満々になればまさかの雨天の連続。ようやく雨が上がって行こうと思えば散り始め。散り際も風情がありますが、なんとも意地悪なお天気でした。

 さて、こうした自分の思いの通り、あるいは期待の通りにいかないことは、お天気のみならず日常生活全般に共通です。自分が望む良い事だけが続くことは、まずありません。もちろん、悪い事だけが続くこともありません。まさに「禍福 (かふく) (あざな) える縄の如し」で、人の暮らしとはそういうものだろうと思います。その認識で言えば、今の日本社会はまさに「禍」の局面にあって、物価等の高騰による生活難はその代表例だろうと思います。必ず好転して「福」が来ると信じ、今の局面をそれぞれ工夫して耐えているわけですが、買い物に行くと自然に溜息が出るのは、みなさん一緒だろうと思います。

 国ではこうした状況を踏まえ、低所得子育て世帯等に対する生活支援、そしてその世帯を含む低所得世帯全体に対する生活支援の2施策を決定しました。先般、それに伴う財源措置が各自治体に伝えられ、美郷町ではできるだけ早く該当者に給付を行うよう、先月下旬、町議会臨時会で関係予算を議決いただいたところです。

  給付時期は、該当子育て世帯等への給付は5月中旬。低所得世帯への給付は国の制度設計の関係から6月中旬頃。それ以外の世帯への生活応援券の給付は6月中~下旬頃の予定です。財政の関係で金額はささやかですが、国や町の給付意図を汲んでいただき、努力を重ねながらいつか必ず来る「福」の局面を迎えたいと思います。

 さあて、今晩のおかず、何だろう。一日における私のささやかな「福」の局面です(たまに残念!というときもありますが。笑)。

(広報美郷 令和5年5月号より)

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