コラム「風」平成30年12月

変化の潮流

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 今年も師走を迎えました。まったくもって一年が早い。年を重ねると一年が早くなると言いますが、そういうことかも知れません。一方、こうした時間認識は、実のところ自分を取り巻く忙しさの状況と、日常に関する処理能力の低下の兼ね合いで決まるような気もします。つまり昨年以上に忙しかったのか、はたまた処理能力が落ちて時間感覚が違ってきたのか、というところかも知れません。

 さてさてその「忙しさ」、「目まぐるしさ」という表現に置き換えることもできるように思います。改めて振り返ってみると、確かに目まぐるしい一年でした。国内における政治、経済、行政での新たな動きに加え、国外においては大国のリーダーの言動に伴う混乱など、新たな潮流を実感せざるを得ない状況だったように思います。

 では、美郷町ではどうかと言いますと、やはり「変化」という切り口で、さまざまな分野で今までにない潮流が生まれております。例えば、空き家等が顕在化してきた六郷地区中心部、いわゆる「まちなか」では、空き地・空き家を何とかしたい町の取り組みとあわせ、若手の方々による空き家活用プロジェクトが進行しております。また町観光協会、町内3温泉、道の駅、湧太郎・湧子ちゃんでは、業務連携に向けて、現在組織統合の作業が進んでおります。

 一方、町行政においては、観光・物産に関する組織統合と相まって、地域資源を活用した新たな観光振興の具体策を議論しているほか、公共施設については人口減少等を踏まえた施設のあり方、最適化について作業が進んでいるなど、新たな動きがあるところです。

 こうした町内の新たな流れ、みなさんが具体的に把握し、それを実感する状況にはまだありませんが、いずれ目にする段階がまいります。その際には、流れの本質と行く末を見定めていただくとともに、どうかご理解をいただきたいと思います。

 きっと誰しも、あまり目まぐるしい変化は望みません。しかし必要な変化は求めなければいけません。それが時代への対応であり、未来に繋がるからです。美郷町はいま、その潮流の中にあります。

(広報「美郷」平成30年12月号より)

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