コラム「風」平成30年2月

バランス

  秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 きっと私だけではないと思いますが、お正月は太ります。普段よりおかずが増えて、自分の許容量を超えて食べ過ぎるとともに、お祭り気分で飲んでは寝て、起きては食べるからだと思いますが、「わかっちゃいるけどやめられない」。まったくスーダラ節です。

 同様にわかっちゃいるけどやめらないのが、ホテルの朝食バイキング。魅力的なおかずがいろいろ並ぶと、ついつい食べる品数が増えて、普段の食事量を超えてしまいます。結果、食後にズボンのベルトを緩める、なんてこともままあります。きっとこれも私だけではない!・・・と信じたいと思います(笑)。

 ともに、節制や節度という心の働きが上手に作用すれば、体が消費するエネルギーと摂取するエネルギーのバランスを取るというベスト管理になるのでしょうが、ついつい目の前の欲望に負けてしまうのも人間。ある意味、人間臭さとして必要な緩さかも知れません。

 一方、人間臭さとか緩さとか、そんなことを言っていられないのが財政の分野。この分野は、やはり入りと出のバランス、つまりは帳尻を合わせなければいけません。そのため、節制や節度という機能をうまく働かせなければなりませんが、単に帳尻が合えば良いものではありません。課題を解消しながら将来に必要な施策・制度を盛る、つまり適切な内容で帳尻を合わせることが求められます。

 ですので、毎年の予算案編成はいつも頭を悩ませます。折に触れていただく町民みなさん、団体・組織からの各種要望、また日常活動や会話の中で気付くこと、そしてステップアップをめざすべき事柄について、いつ、どのように対応することが望ましいのか、また判断がそれで本当に良いかなど、私なりに悶々とするわけです。

 最終的に理想と現実、自由と制約の狭間で、バランス感を大切にして予算案を編成するわけですが、その編成作業も大詰め。新たな施策やステップアップを意識した取り組みも盛り込み、みなさんに「いいね!」と言っていただけるように努めてまいります。

 さてさて私のお腹周り。未だズボンとのバランス取れず。トホホです。

(広報「美郷」平成30年2月号より)   

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