コラム「風」平成29年10月

異文化に触れる~仮想旅行 

  秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 小学生の頃の私の夢は、報道機関の海外特派員になることでした。なぜ海外特派員なのか記憶が定かでありませんが、たぶんテレビで見る特派員が格好良かった、あるいは海外そのものに憧れがあったからだろうと思います。しかし成長に従い、希望職種は変遷。高校では研究者、そして公務員を経て、現在の職に至っております。

 こうした変遷を認識しながら、改めて自分の来し方を振り返ってみると、海外への意識はずっと心のどこかにあったように思います。「三つ子の魂百まで」よろしく「十二の魂百まで」です。ちなみに大学時代の最大の後悔は海外を旅しなかったこと。その後悔もあって県庁時代には、海外研修のチャンスに自ら応募。だ見ぬ世界を見てみたい、そしてその刺激で少しでも自分を成長させたいという思いだったと記憶しています。

 こうした海外への意識もあって、美郷町ではかつて中学生を対象とした海外研修を実施していました。小さい頃に経験する異文化は成長に大きな意味を持つとの信念でしたが、国際テロの続発などで残念ながら事業を中止しました。しかし私は現在でも、異文化という非日常に身を置くことの意味、そこから得られる刺激の意義については、確実に深いものがあると考えているところです。

 そうした考えをきながら、この度美郷町では、町内に居ながら「異文化に触れる」機会を企画しました。東京オリンピック2020で事前合宿が決まったタイ王国の文化展です。多くのみなさん、とりわけ子供たちには、是非とも知的好奇心をもって訪れてもらい、タイ王国の文化に触れていただきたいと思います。意外な発見もあるものと思います。その上で、この機会を通じて改めてタイ王国に理解を深めるとともに、今後接する機会が増えるタイ王国の方々との交流に活かしていただくよう、心より期待しているところです。

 今回の企画、まずはどんなもんか見タイ、だから学友館に行きタイ、そしてタイ文化を分かりタイ、となりますように・・・(笑)

(広報「美郷」平成29年9月号より)   

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