コラム「風」平成26年9月

健康長寿とセルフケア

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 7月下旬、久しぶりに夏風邪をひいてしまいました。はじめは喉の違和感程度でしたが、「大したことない」と甘く見ていたところ徐々に悪化。ついには咳が止まらず「はい、お医者さん」となってしまいました。つくづく「あの時に龍角散を飲んでりゃな・・・」な〜んて思いましたが、後の祭りです。

 そしてこの話、人に話したところ「当たり前。忙し過ぎるもの」とのこと。この言葉には二つ意味が込められているように思いますが、「仕事を詰め込み過ぎるな、体あっての仕事だもの」「仕事を割引できないなら、それに耐えられる体に自己管理していかないと」ということだろうと思います。

 巷では健康食品が人気を呼び、テレビでは健康番組の視聴率が高いとのこと。これは健康の自己管理意識が高い証(あか)しである一方、商業者にとっては商売が成り立つ状況、つまり意識は高いものの実効ある実践はまだまだで、すがる何かを提供すれば商売になるという状態を表(あらわ)しているように思います。改めて、健康管理は高い意識のもと、実効ある自らの実践が伴ってはじめて意味を為すということを、自戒を込めて確認したいと思います。

 さて、その「健康」、バロメーターは医療費の多寡となりますが、町全体の健康状態は一体どういう状態かと言いますと・・・結論は「残念!」です。町の国民健康保険特別会計のデータでは、一人当たり医療費は年々増加。その結果、国民健康保険税も増額傾向。さらに、一般会計からの繰出金も増額で、しかもその金額が億単位で半端な額ではないときています。

 心身も財政も、健康のために取り組むべきことは明確です。高い健康意識を持つこと、軽度の不調も含め心身を整える自己管理を実践すること、早期発見・治療のために健康診断を受診することなどなど。町ではそれらを一層推進していくため、現在「セルフケア推進方針」を作成中です。まとまり次第ご提示しますので、みなさんでがんばっていきましょう。左党の方々、セルフケアを「百薬の長」に頼ろうなんて不埒(ふらち)な考えは、決してなりませぬよ〜。

(広報「美郷」平成26年9月号より)

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