コラム「風」平成26年7月

時間感覚と信念

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 「あ〜早い」。大体は年越しに実感する時間感覚が、最近は月替わりでも感じています。それだけ対処するべき業務が増加しているのか、あるいはそれを処理する業務能力が低下しているのか、はたまた年齢相応の時間感覚というものなのか分かりませんが、本稿に向き合って、改めて「6月も早かったな」と実感しているところです。みなさんはいかがだったでしょうか。

 一方、自己弁護になるかも知れませんが、こうした時間感覚、実は大切なことではないかとも思っております。それは、この感覚が時間に対する意識の有無の裏返しだからです。意識のないところに実感は存在しません。また、そうした実感があるからこそ「想い」が発生するのではないでしょうか。

 さて、そうした「早い」時間感覚を意識しながら、町では先月、今年度における大きな案件に着手しました。一つは、今年度が最終年度の美郷町総合計画の総括と次期計画の策定。無作為抽出させていただいた皆様にアンケート調査を実施いたします。項目が多くて回答が大変と思いますが、今後の町づくりに影響するアンケートです。どうかご回答をお願いいたします。もう一つは、合併自治体の共通課題の一つ、財政問題への対応です。美郷町は来年度から5カ年、国からのお金が漸減します。10億円を超える減額見込みですので半端な額ではありません。そこで、庁内に検討チームを設置して、対応の真剣な議論に入りました。毎年テーマを定め、その検討結果は翌年度の予算編成に反映させる予定です。この案件、ともに時間感覚が必須です。

 最近、町外の方に「美郷町はよく新聞載るね。がんばってるな〜」と言われます。美郷町に対する評価として率直に嬉しく感じますが、その取り組みは言うまでもなく、通常業務の着実な展開が下地にあってのこと。「家は目立つ2階よりも土台と1階が大切。(まれにミスもありますが)目立たない部分こそちゃんとやる」というのが私の信念です。先月着手の案件もその範疇です。今後も時間感覚と信念を大切に、難問にぶつかっていくつもりです。

(広報「美郷」平成26年7月号より)

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