コラム「風」平成24年5月

一石二鳥への期待

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 過日の爆弾低気圧、大変でした。平成3年の台風19号に次ぐ強風のようで、町内でも多くの被害が発生しました。自然が持つ怖い一面を改めて認識です。被災されましたみなさんには、心からお見舞いを申し上げます。

 その傷跡がまだ残っている4月中旬、やはり家屋被害を受けた町内酒造会社に、古川元久国家戦略担当大臣がいらっしゃいました。酒造会社社長が大臣と交友関係があり実現した訪問で、私も町を代表する立場でお迎えしましたが、その折に、大臣からは勇気が湧いてくるお話をいただきました。

 現在の日本は申すまでもなく苦境です。その打破には、各分野で新たな取り組みが必要なことも申すまでもありません。そんな中、大臣は現在、日本酒を「国酒」と位置付け、積極的に海外に打って出る構想を持っているとのこと。ワインと同様に、小さい蔵元でも「おいしい本物の日本酒」を海外に輸出し、生産現場に活気を生ませたい、そして日本酒の名声を世界に広めたいとのことです。さらに海外からの観光客には、そうした蔵元を訪ねていただき、国内各地の観光振興に繋げたい構想のようです。残念ながら成果が見えてこない国政の中で、この新たな国家戦略には期待したいと思います。

 一方、町では今年から「地産外商」を進めます。その趣旨は一緒です。地元のうまいものを町外で商う。その結果、農産加工品や日本酒、美郷まんまや美郷たぬ中など特産品の生産に活気が生まれ、さらに消費者が「よし、生産地に行ってみるか」となれば観光客の増加です。だから私は、大臣のお話に勇気が湧いてきたのです。しかし、この取り組みには絶対条件があります。「生産品がいいものであること」、そして「商いに生産者が責任を持つこと」です。この条件を工夫と努力で乗り越えながら、地産外商にみなさんで取り組み、みなさんの美郷をさらに活気ある町にしていきたいものです。

 地産外商を進めていきたい私は、今日も右手に箸、左手にお猪口を持ち、地元産品の消費に努力です。なぜなら、「地元の人間が地元産品に薀蓄(うんちく)を語れなかったらだめでしょう」と思うからです・・・左手の言い訳ですね。

(広報「美郷」平成24年5月号より)

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