コラム「風」平成23年3月

あるもの探し

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 先日、湧太郎の國之誉ホールにおいて、心に残るイベントが開催されました。美郷若者会議という団体が主催した「美郷なう。〜あなたの知らない美郷町おしえます〜」という町歩きイベントです。蛇足(だそく)ながら「なう」という言葉は、昨年の流行語大賞トップテンの言葉で、英語の「今」を意味しています。携帯電話のツイッターで、現在の自分の状況をつぶやくときに用いているようです。

 そのオープニングの際、主催者から「あれがないという視点でなく、あるものを探すという視点で云々(うんぬん)」というご挨拶がありました。私は本当に嬉しくなりました。ないものねだりではなく、あるもの探しの意識。これこそ「今」の時代に求められている大切な姿勢、と私は常々思っていたからです。

 実は町の取り組みも、そんな想いで取り組んできたことがたくさんあります。地域を知る意味での「地販地消」の推進をはじめ、名木・古木や清水の調査、農産加工品の発掘などなど。その中で特に清水は、美郷を代表する地域資源として皆さんのご協力のもと町内をくまなく探索し、昨年そのデータベースを完成させたところです。その結果、驚くなかれ町内には三地区合わせて126もの清水が存在していることが分かりました。みなさん、凄くないですか。この小さい美郷にこれだけの清水です。あるもの探しをした結果です。私は誇りに思います。

 何とかこれを観光に活用したいと思い、これまで主な清水を中心に町全体のマップづくりに汗を流してきましたが、この度ついに完成しました。町の施設に配置しながら、観光客の誘致と滞在時間の延長に活用していくつもりです。みなさんも機会を見つけてご覧いただきたいと思います。知らなかった清水、きっとあります。そして、改めて美郷の良さと郷土への誇りを共有したいと思います。

 ところであるもの探しは、いろんな分野で応用が利きます。お節介!と言われそうですが、若者会議の皆さんには仲間の輪をどんどん大きくしてもらい、どうか良き伴侶探しもその活動に加えてもらいたいと思います。若者〜がんばれ〜!

(広報「美郷」平成23年3月号より)

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