コラム「風」平成23年10月

準備と対応

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 放射性セシウムに揺れた今年の稲刈りも後半に入りました。私は例年より稲藁(いねわら)の香りに心地よさを感じていますが、「不検出」だったので「安心した結果の感覚なんだろうなあ」と思っています。みなさんはいかがでしょうか。

 さて、今月からいよいよ年度下期に入ります。今年度で区切りを付ける施設、例えば千畑交流センターや3中学校は閉鎖や閉校に、そして来春誕生する施設、例えば美郷中学校は開校に向けて、それぞれが意識としてカウントダウンです。

 準備は順調で、その中で開校準備に忙しい美郷中学校については、先日、生徒の精神的支柱になるであろう校歌の歌詞も届きました。当初、校歌をどうするか随分悩みましたが、悩んだ結果として、作詞は伝(つて)を頼りに日本を代表する詩人の谷川俊太郎さんにお願いし、素晴らしい歌詞が届いたところです。作曲は秋田大学教授の四反田素幸先生にお願いし、作業に取り掛かってもらっています。

 そうして準備を進めている美郷中学校は、開校から一年経過すると確実に第一期卒業生を送り出すことになります。子供達はほぼ県内の高校に進み、その後、何割かは就職や進学で首都圏に向かうことになると思いますが、いずれその受け皿も必要となります。そこで町では昨年来、在京六郷会や千畑ふるさと会、仙南ふる里会の方々と「会の統合」について意見交換するとともに、今年度の各会の総会に諮り、その準備会設立にご了解をいただいてきたところです。先月から各会選出の委員による検討に入っていますが、然るべき時期に円滑に統合が実現できますよう、今後の順調な話し合いを望みたいと心から願っております。

 一つの大きな変化には、関連するたくさんの事柄への影響が付いて回ります。その軽重に従い、適時に的確な対応をするよう、私はじめ職員は気を配りながらがんばっているところですが、気付かない点が無いは言えません。もし、そうした点がありましたら、指摘をお願いしたいと思います。でも、「町長、最近また腹が出てきたな」なんてことはご指摘無用です。気付いていますので・・・。

(広報「美郷」平成23年10月号より)

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