コラム「風」平成22年8月

さいことの重み

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 先般開催されたサッカーW杯。当初の心配をよそに見事な活躍をした日本チームには、本当に心躍(こころおど)らされました。決勝リーグでは初戦敗退してしまいましたが、サッカー熱が下がらない私は日本が負けてもどこかを応援しないといけなくて、その後はドイツを応援しました。理由は単純。以前ドイツを訪れたことがあり、いい印象が残っていたからです。

 現在はありませんが、私が県職員だった頃、県には職員の意欲を反映した手上げ方式の海外研修制度がありました。勉強してみたいテーマについて研修計画等を作成し、人事課に提出。選抜をパスすると一定の研修費が支給され、研修後レポートを提出するというもので、私は運よく選抜をパスして訪欧させてもらい、ドイツには9日間滞在しました。

 研修機関への訪問予約や通訳手配、飛行機やホテルの予約なども自ら行い、随分と難儀しましたが、幸いドイツには県職員の先輩の知り合いがいたこと、農業研修生として湯沢市出身の青年もいたことなどから、いろんな面で助けてもらい、また、研修先でも親切にしてもらいました。さらに、小さなミスや些細(ささい)な事柄などを通じて、研修テーマ以外でも視野を広げることができ、僅(わず)か9日間の滞在ながらドイツは思い出深い、親近感ある良いイメージの国になりました。単純で浅いと言われればその通りですが・・・。

 このたび、個人的にそんな良い印象を持っているドイツのスポーツ青少年が、日独スポーツ少年団交流という国レベルの交流プログラムで来町します。町広報等で募集したお宅に民泊しながら、8月5日から10日までの間、町内見学や清水まつりへの参加、スポーツなどを通じて、スポーツ関係者をはじめ幅広くいろんな交流を図る計画となっています。

 そこでみなさんにもお願いです。町内でその方々を見かけましたら、どうか気軽に声を掛けてみてください。小さいことにも重みがあって、その積み重ねで印象や評価というものは規定されていくと私は思うからです。ドイツ語が分からないから話しかけられない?大丈夫。身振り手振りで気持ちは通じますから。そう、その実践実例が私ですので・・・。

(広報「美郷」平成22年8月号より)

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