コラム「風」平成20年10月

信頼のお届け

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 いよいよ、食欲の秋本番に入りました。キノコなどの山の幸、サトイモを代表とする畑の幸、川ガニや鮭などの川の幸。本当にまあ、美味(おい)しいもののオンパレードです。一方、私を含めてメタボの方には、食うべきか食わざるべきか葛藤の時期でもありますが・・・。

 こういう中、どうもここしばらく、「食」への信頼が揺らぐ事件が頻発しております。老舗料亭の賞味期限偽装や食肉偽装の件、本県の比内地鶏偽装やうなぎの産地偽装の件、先日はついに事故米流通の問題など、信じられない事件が発生しております。

 どれもが消費者を蔑(ないがし)ろにした、拝金主義的な利益優先の結果です。とりわけ、事故米の件は次元の違う悪質さで、原因者には「人の命をどう考えているんだ」と怒鳴りたくなります。改めて、「食」に求められるものは何かを冷静に見つめ直す機会になりました。

 ところで、町では今年から、友好都市の東京都大田区との交流を本格化させました。美郷産品を流通させることで美郷町を大田区の方々に認識してもらい、その上で人と人との交流につなげ、ひいては美郷の産業振興、地域活性化につなげて行こうという考えです。

 その第一歩が区役所と町役場の職員人事交流です。この四月から実施しております。次の一歩が、大消費地である大田区に安心できる農産物を流通させる取り組みで、その先鞭を「美郷米」に定め、これまで各般の調整に取り組んできました。この度いよいよ実践に入ります。美郷の一部の新米が「心を結ぶ 安心 美郷米」として大田区に流通します。

 日本の消費者は何を以(も)って「食」を考えるのか。その第一が、安さではありません。絶対、安全を第一に考えます。そしてそれが信用できる信頼感を求めます。だから美郷からは、農家の方々が誠実な気持ちで額に汗して生産した安心米を、友好都市として決して裏切らないという信頼感とともにお届けしたいと思います。 

 信頼できるもの。これこそが一番です。だから私はメタボを気にしながらも、やっぱり美味しくて安心な地物をついつい食べてしまう訳です。あ〜、また一センチ増える。

(広報「美郷」平成20年10月号より)

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