コラム「風」平成20年5月

変化の行方

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 ほのぼのとした桜色からバトンを受け、身の回りは新緑に包まれてきました。徐々に深まる緑色の変化にやすらぎを感じるところですが、みなさんはいかがでしょうか。 

 一方、世の中は心に余裕を与えない変化の連続となっております。例えばガソリン税の問題。「一体どうなることやら」と心配の連続です(原稿に向かっている現在、雲行きは衆院再議決のようですが・・・)。消費者の立場では安いことはありがたいところです。しかし自治体の立場では喜ぶことはできません。住民サービスにマイナス影響があるからです。

 仮に、一年間暫定税率分が復活しなければ、美郷町では単純に収入が約二億八千万円減ります。その結果、それに見合う支出カットなどを検討しなければなりません。それが道路整備の分野だけで留めることができないことが、この問題の大きいところです。

 こうした不測の事態にも適切に対処していくには、やはり各分野で、身の丈にあった体制を早く構築することが求められます。その一端に施設管理のスリム化がある訳ですが、町では昨年度からその方向性を定める「公共施設のあり方」を検討してきております。この度、その概要をまとめました。先般、町議会に説明させていただいたところです。

 具体の方向性は、今月号に取り上げているとおりですが、施設状況や利用状況などを踏まえ、統廃合を検討するか現状維持とするか、はたまた譲渡を検討するか管理形態を検討するか分類しました。今後は、その分類方向で具体作業を重ねてまいります。とりわけ、統廃合に分類した施設については、利用する立場でいろんなご意見があるものと思いますので、多方面からの見方で議論を重ね、道筋を明らかにしてまいります。また、学校施設についても、先月号に掲載したとおり望ましい学校規模をまとめたほか、温泉施設についても同様に方向性をまとめており、今後、それぞれで更に具体作業を進めてまいります。

「 一つを得れば一つを失う」。就職した時に、ある先輩が言っていた言葉です。いろんな分野のさまざまな事柄に当てはまります。「なるほど真理だなあ」と思うこの頃です。

(広報「美郷」平成20年5月号より)

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