コラム「風」平成19年4月

軽やかに前向きに

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 ようやく春到来です。優しい日差しに誘われて顔を覗かせる草花の緑に、自然と心軽やかな気分になりますがみなさんはいかがでしょうか。

 こうした軽やかな気分は、日頃重苦しく考えてしまう案件も違った視点での考慮を促し、思わぬ良い解決法を見出すきっかけになったりします。性格的なこともありますが、私は大切にしたい気分の一つです。

 先日も大きな仕事が一つ片付き、重石の取れた気持ちで何気なく画集を眺めていたら、見慣れた絵画からこれまでにない明るさを伴った閃きを感じました。ふと暗中模索の案件が思い起こされ、瞬発的にこれまで考えたことがなかった道筋を見出しました。やはり軽やかな、あるいは前向きな気持ちは必要だなと思った次第です。

 さて、こうした気持ちの持ち方は町づくりにも必要と私は思っています。先月、議会からご承認いただいた「地販地消推進条例」も、こうした考え方で具体化させていただきました。つまり、地域の活性化には、まずはみなさんが心軽やかに前向きになることが必要で、そうなることで否定的な気持ちからは浮かんでこない、思わぬ面白いアイデアや意欲が生まれ、ひいては地域の活性化が図られていくという考え方です。

 「地販地消」という言葉は町職員の造語で、他にはない美郷独自の概念、「地域で販売、地域で消費」の意味です。町の農業、商業、工業が連携を図り、地域内での生産、販売努力を行っていただくとともに、皆さんには消費者として町内産品をできる限り購入、消費していただきたいというもので、そうすることで町の産業振興や美郷意識の醸成、更には地域融和を進めたい意図です。

 この度は、前向きになっていただくための意識啓発が目的ですので、具体策はこれからの検討となります。三人寄っただけで文殊の知恵となりますので、多くの方々に寄ってもらえば無二の知恵となります。どうか皆さんには、アイデア提案など具体的なご協力をお願いいたします。

 さ〜て、私ももっといろんな閃きを感じるために、まずは体から軽やかにしてみますか。どうですか?皆さんもご一緒に。

(広報「美郷」平成19年4月号より)

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