コラム「風」平成19年1月

新年のごあいさつ

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 新年おめでとうございます。さまざまな思い出を作りながら平成 18 年が幕を閉じ、清々しく 19 年が始まりました。皆様には、昨年の良き思い出を振り返りながら、新たな意欲を持って今年を展望されているものと存じます。私も、いよいよ開催を迎える国体や未解決の大きな課題を見据え、心静かに一年の計を立てているところです。

 さて、昨年は合併後の変化や不安を乗り越え、安定感を実感する年として、そして総合計画を踏まえた町づくりを具体化していく年として重要な位置付けの年でした。各種施策を意識して継続実施することで安定感醸成に努めるとともに、一層の地域融和を目指した「町の日」制定や町民歌CDの作成、また安心感に繋がる各学校の耐震工事完了や災害時の各種協定の締結、定住促進を目指した空屋・空地情報の提供や幼保一元化を推進する認定こども園、消費ニーズを見通した堆肥センター建設着手などに取り組んだ年でした。

 一方、こうした取り組みを支える財政環境は、合併前には想定できない程の厳しさが伴う年でした。三位一体改革による予想以上の収入の減少や、国の制度改正による町負担の増大は、「まずは投資事業の展開を」という認識を改めさせるとともに、合併効果の実現を一層意識させる年でもありました。

 こうした流れを経て迎えた 19 年は、ある意味で決意の年となります。皆さんが望む美郷づくりにより力強く進んでいくために、緊急性を踏まえ、旧町村から引き継ぎ実施してきた事業の再検討を行うとともに、公共施設のあり方を検討するなど、限られた財源の効果的な投資と合併効果の発現を促進していかなければなりません。

 そのためには、合併の本旨に立ち返り、「かつてはこうだった」という認識を改めるとともに、将来に向かって何に投資し、何を削減すべきかを改めて問い直すことが必要です。つまり、町の財布を考えながら、自分達が住むこの美郷をどうしたいのか、物心両面での美郷イメージを皆さんで共有することが必要となります。

 こうした認識を踏まえ、 19 年はまずは国体の成功を期します。約 50 年に一回の開催を通じ、皆さんの一体感と美郷意識の浸透、さらには美郷の情報発信の中で、望む美郷イメージの共有を図りたいと思います。また、住み続けるために必要な生活基盤、例えば水環境の保全、上下水道や道路、防災施設の整備などに努めるとともに、農・工・商の連携による産業振興などにも努めてまいります。

 いずれにいたしましても、「心」を大切にした町づくりに努めてまいりますので、引き続きのご理解とご協力をお願いいたします。皆様に取りまして健勝の 19 年となりますことをお祈りし、新年のあいさつといたします。

(広報「美郷」平成19年1月号より)

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