コラム「風」平成18年8月

風と雰囲気と水と

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 時折通り抜ける風が、風鈴の音とともに一服の清涼剤に感じる時季になりました。特に木陰の風は、値千金と思いますがいかがでしょうか。

 さてその風、農地と住宅地では同じ風速・風向でも、きっと感じ方が違います。先日、雄物川河川敷で実に爽やかな風を感じてきましたが、もし住宅地だったら少し違っただろうと思います。その核心は、その環境が持つ独特の雰囲気やイメージの違いだろうと思います。

 ふと、美郷に吹く風はどういう情緒を持たせるのか気になりました。まずは美郷という環境、土地柄がどういう雰囲気を持っているかです。

 私は美郷の持つ雰囲気、イメージは癒しや潤いだろうと思います。そのために、何としても「水」は大切にしていきたいと思います。18年度で「水環境の保全」を重点としたのも、こうした考えの延長です。「水」を大切にする取り組みが浸透することで、きっと癒しや潤いの雰囲気、イメージが一層醸成されていくものと信じております。

 具体策としては、まずは身近な水、湧水や河川等を大切にする意識啓蒙が必要で、清水めぐりや河川環境の愛護などの取り組みはその位置付けです。また、水質保全はもっと重要です。不法投棄の防止による水源域の汚染防止や公共下水道や集落排水の整備、合併浄化槽の設置による生活雑排水の流出抑制は、癒しや潤い空間創出の基本です。

 しかし、残念ながら公共下水道や一部の集落排水では、その加入が進んでいません。加入なくして多額の投資は生きてきませんし、生活雑排水が湧水や農業用排水に影響を与え、水環境の保全に繋がりません。どうか未加入の方々には、ご理解とご協力をお願いしたいと思います。

 風に良き情緒を感じられる美郷の雰囲気、その雰囲気醸成に必要なきれいな水環境、その水環境を保全する具体の取り組み、その取り組みへの皆さんの参加が、ひいては美郷に住んで良かった、あるいは美郷を訪れてみたいという評価に繋がるように思います。皆さんで水環境について考えていきたいものです。清水まつりがある8月だからこそ・・・。

(広報「美郷」平成18年8月号より)

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