コラム「風」平成18年2月

「想定の内と外」 

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

  「想定内」だけでは物事進まないのが世の常ですが、今季の降雪もその一つのようです。除雪予算も「想定外」の対応に大変ですが、難儀した分、春到来の喜びは格別ですので、みなさんがんばりましょう。

 さて、最近の想定外をもう一つ。現在町では、来年度の予算編成作業に入っておりますが、今回も悩み多き作業になっています。悩みの主な原因は昨年以上の収入確保の困難さです。想定の範囲外の厳しさです。

 ご存知のとおり、合併町の地方交付税は10年間、従前を担保されることになっております。しかしそれは額ではなく計算方式ですので、地方交付税全体額が削減されれば、美郷町も必ず削減される仕組みです。来年度は約6%削減とのことで、美郷では約3億円弱が減少の見込みです。

 また、合併町に許される有利な借金、合併特例債も実際のところ随分と制約が多く、「何だよ、使えないのか〜」という状況です。この制度は合併メリットの一つでしたので、この使いづらさは完全に想定外です。

 という状況です。しかし、ぼやいているばかりではいられません。美郷の町づくりを一歩ずつ前進させなければなりません。となると、やはり効率化できるところは効率化し、その分を施策経費に回していくことが求められます。その具体策の一つが施設利用の効率化への対応です。

 12月議会で、昭和20年代建設で耐震性に問題のある六郷中学校体育館を来年度解体したい旨表明しましたが、この判断には施設利用の効率化の観点も含んでいます。解体後の六中体育館機能は、アスパルに求めたい考えです。新築についてのご意見もありますが、アスパルを現在地に建設した当時の意図を忖度し、更に近接のトレセン体育館を含めた現在の利用実態を考慮すると自然な流れと思いますので、今後、広く利用できる管理のあり方を検討しながら、関係機関等と調整を図ってまいりたいと思います。みなさんにはどうかご理解をお願いいたします。

 先日、何となく気になり、久しぶりに体重計に乗ってみました。なんとまあ、体重までが想定外です。はあ〜、想定内に戻さないと。

(広報「美郷」平成18年2月号より)

 
このページに関する情報