コラム「風」平成18年1月

新年のごあいさつ

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 新年おめでとうございます。町づくり元年の平成17年が色々な思い出を積み重ねて幕を閉じ、新たな期待と意欲を混交させて18年の幕が開けました。皆様には、清々しさをめぐもってこの一年に思いを回らしているものと存じます。私も、無我夢中の昨年を総括し、更に大きな意味を持つ18年に新たな計を立てているところです。

 さて昨年は、約32億の収入不足で苦慮した予算編成や各種制度の調整から始まり、特別職の配置、町民の心の拠り所としての「町の木、花、鳥、魚」や町民憲章の制定、そして町づくりの根幹「美郷町総合計画」などを策定した年でした。その間、農業委員選挙や町議会議員選挙で新たな体制が固まり、総じて、町づくり元年として方向づくりや体制づくりに歩みを重ねた年でした。

 一方、合併の現実を実感した年でもありました。「合併したら・・・」という声もいただきました。しかし、合併は変化を前提にしております。その上で、その変化がすべての分野で高い(プラス)方向に向けば財政破綻です。プラスとマイナスで変化のバランスを取り、身の丈に合わせていかなければ将来に禍根を残します。また、財政的な合併効果は徐々にしか生じてまいりません。この度、町で再び乳幼児医療費無料化を実施するのも、こうした効果で財源捻出に見通しを持ったからです。皆様には、改めてご理解をお願いいたします。

 こうした状況を引き継ぐ18年は、まずは一層の調整促進に努めます。進むべきレールにしっかりと乗せなければなりません。その結果、皆様には変化への許容をお願いすることもあります。その許容が町づくりの将来展望につながるものと思いますので、よろしくお願いいたします。財政的な合併効果に大きい影響を持つ公共施設の整理統合も検討が必要です。これまでの経緯も踏まえながら、そのあり方を検討、調整してまいります。

 その上で18年は、地域融和への取り組みを一層強化してまいります。また、美郷の誇る水環境の保全に留意するとともに、少子高齢化を踏まえたボランティア活動を促進するほか、食育など農業地域として「食」を大切にした取り組みにも努めてまいります。さらに農業振興及び商工業振興の一環として、農・商・工の連携した取り組みにも意を払ってまいりたいと考えております。

 いずれにしましても、「今を生きる私たちは未来を創る」ことを認識しながら、勇気と渾身の力をもって今求められる課題解決に、そして「心」を大切にした町づくりに努めてまいりますので、どうかご理解とご協力をお願いいたします。

 皆様に取りまして躍動の18年となりますことをお祈りし、新年のあいさつといたします。

(広報「美郷」平成18年1月号より)

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