コラム「風」平成17年7月

改める

秋田県美郷町長 松 田 知 己 

 先日、実に恥ずかしい失敗をしました。戦前の宰相、犬養毅が暗殺された五・一五事件を、ある会合の挨拶(あいさつ)で二・二六事件と間違ってしまいました。着席してから気付き、「しまった」と思いましたが後の祭りです。その会合に出席した方々にお詫(わ)びしながら訂正いたします。
 

 開き直る訳ではありませんが、間違いは誰(だれ)にでもあります。事の大小をひとまず置いて、共通して大切なのはそれにいつ気付き、どう対処するかだろうと思います。「過(あやま)ちては改(あらた)むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ」とは論語の有名な一節ですが、やはり出来る限り速やかに改めたいものです。

 さて今回、過ちではありませんが、皆さんに報告したいことがあります。美郷町総合計画についてです。以前「基本計画10年、実施計画4年としたい」旨本欄にて述べましたが、その後の検討で考え直し、期間設定を改めることにしました。成果を踏まえて推進する観点から基本計画を前期5年・後期5年に、そして住民要望や財政状況に合わせて推進する観点から実施計画を3年にしたいと思います。「絵に描(か)いた餅」的計画にはしない趣旨を深めていくと、こうした設定がより良い旨の結論となり改めるものです。

 さらに重要なことですが、旧町村から美郷が引き継いだ大規模事業(幹線道路や施設整備)について、財政状況等を踏まえると今後の計画推進に見直しの必要性が見えてきました。美郷の身の丈、体力を考えると、多くの大規模事業をほぼ同時に走らせるのは難しい状況です。また事業実施については、地域バランスの配慮が必要です。行政座談会等でのご意見や経緯、緊急性などを勘案して見直していきたいと思います。

 信念は信念として曲げず、しかし状況は客観的に把握し、柔軟性を大切にして美郷の身の丈、体力に留意していきたいと思います。そういう私も実は体力勝負の状況にあります。夏バテしないよう、ジャンジャンバリバリ食べて・・・ん?このフレーズ、どっかで聞いたことがある?

(広報「美郷」平成17年7月号より)

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